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都築道夫『退職刑事 1』(創元推理文庫)(11/14)

かつては硬骨の刑事であったが、すでに退職して久しい父親が、息子の現職刑事の元を訪れ、現在手がけている事件の話を聞くだけでその事件を解決してしまうと言う、典型的な「安楽椅子探偵」のスタイルによる連作短編集。
この前読んだ山田正紀の『蜃気楼・13の殺人』(光文社文庫)の解説の中でちらっと名前が出てきたので興味を惹かれて読んでみた。都築道夫の作品はまともに読むのはこれが初めてである。
この人の持ち味なのか、発表された媒体の性質上なのか、普段読んでいるような新本格ミステリではあまり出てこない生々しい表現や会話にちょっと戸惑ったが、まあ慣れれば気にならないレベル。文庫本で30〜40頁くらいの短編であるが、その尺の中で冒頭で魅力的な謎(例.全裸に男物のブリーフ1枚で殺されていた女、ジャケットを着た上に背広2枚をむき出しで抱えた青年等)を提示し、そこから話を広げた上でやや強引とも思える展開によって解決に至る構成はさすがに見事である。
ただ話によっては技巧に走りすぎるというか、論理をもてあそぶようなところが見られて興ざめするようなところがある。上手くいった場合は非常に魅力的なのであるが…。
あと、ほとんど親子二人の淡々とした会話だけで話が進行するので、1冊通して読むとちょっと飽きるところがある。あまりまとめて読まないで、気の向いた時に1編づつ楽しむのが良いような気がした。
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日々鬱病と未聴CDと戦いながらCD買い物依存症から抜け出せない、そんな奴です。

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