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湯川新『ブルース 複製時代のフォークロア』(法政大学出版局)(7/4)

ブルースの解説本というと、どうしてもブルースマンの評伝的なものになったり、ブルースが生まれた背景を探るみたいな文化論的なものになりがちだ。この本も「複製時代のフォークロア」というサブタイトルだけ見ると文化論的なもののようだが、読んでみると全然違った。作者の興味は、一貫してブルースの曲(と歌詞とそれを演奏する楽器)に集中している。第1章の最初のほうこそ、ブルース誕生の背景的なことが書かれているがすぐに具体的なブルースの曲および演奏家の話に移る。
とにかく、具体的な曲の楽譜と歌詞がふんだんに引用されているのが特徴だ。楽譜の読めない身にとってはちょっと辛いところもあるが、歌詞に関する考察はそれを補って余りある面白さだ。正直、ブルースを聴いていてもあまり歌詞を意識したことはないのだが(ブルースに限らず洋楽全般そうだが)、歌詞を意識しながら聴いてみるのも面白そうだ。と言ってもほとんど輸入盤で買ってるからそもそも歌詞カードがないんだが。ヒアリングできるほど英語力はないし。
ひとつだけ残念なのは、ブルースについての記述がエレキが登場したあたりで終わって、その次はチャック・ベリーとロックン・ロール創生期に話が行くこと。エレキ以降の、モダンブルース期についても読んでみたかったのだが、作者の興味はそこにはないのかもしれない。
正直これからブルースを聴いてみようという入門者には勧められない。ある程度ブルースを聴き込んで、ブルースというこの音楽の魅力はどこから来るのだろうかと不思議に思っている人向けである。
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日々鬱病と未聴CDと戦いながらCD買い物依存症から抜け出せない、そんな奴です。

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