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今日の消化本(5/12)

サラ・ウォーターズ『夜愁(上)(下)』(創元推理文庫)





★★★☆
サラ・ウォーターズ期待の新作は、舞台を前作までのヴィクトリア朝時代から1947年、未だ戦火の傷跡残るロンドンに移している。第1部では何人かの登場人物(或いは愛情関係で、或いは縁戚関係で、あるいは職場の同僚として結ばれている)の日常生活が淡々と描かれる。続く第2部ではその続きが…と思いきや、話しは時間をさかのぼって1944年、戦争の最中へ。
こういう、先に結末を描いてから話しを遡らせる手法は、倒叙と呼ばれてミステリでは珍しくない。ただしこの作品はミステリではない。前作のような数奇なストーリーを期待すると肩すかしを食らうだろう。この作品で描かれるのはあくまでも淡々とした、淡い淡彩画のような日常生活であり、それを面白いと思えるかどうかでこの作品に対する評価は大きく分かれるだろう。個人的には非常に面白かったし、第1部で描かれた登場人物の関係が、第2部、第3部で明瞭になる点はドラマティックに感じた。
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日々鬱病と未聴CDと戦いながらCD買い物依存症から抜け出せない、そんな奴です。

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