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メトロポリス

ということで約1ヶ月ぶりの更新です。日記を書き始めてから更新頻度の落ちるのは覚悟してたけど、1ヶ月に1回はいかんよなあ。

今回のネタは、日記でも(大分前に)予告していたメトロポリスのDVDについて。メトロポリスといっても手塚治虫原作のアニメのあれでなくて、フリッツ・ラング監督の1927年作品の方です(いちいち断らんといかんのが面倒くさい。更にgoogleとかで検索して調べものするときも混在して出てくるので大変)。

この作品を初めて見たのは、1984年に音楽プロデューサーのジョルジオ・モロダーが着色&音楽付きで編集して公開した版でした。色々と批判もあった版ですが、その時の感想としては「素直に面白い」というのと「こんなものか」というのが混ざった感じだったと思います(なんせ20年前のことだから大分忘れかけている)。

1927年という制作年を考えれば、あの特撮は驚異的だし、大がかりなセット(金かかったろうな〜)にも驚きましたが、サイレント映画独自の役者のオーバーなアクションや、あまりに理想的というか青臭いストーリーに違和感を覚えたのも事実です。

その時点で、実は完成当時はもっと長かったのがその後カットされて短くなった、という話は知っていました。一度、全長版を見てみたいと思ったりもしましたが、とうてい無理だろうと思っていました。

ところが、去年のこと、メトロポリスの初公開時のバージョンがリストアされて、何カ所かで上映会も開かれる、という話も聞きました(京都でも上映されたらしい)。行ってみたいと思いましたが、去年はなにせ仕事で忙しい&名古屋駐在の身だったので、それもかないませんでした。

しかし、休職してようやく暇が出来てから調べてみると既にリストア版のDVDが出ているではありませんか!残念ながら日本盤はまだですが、サイレント映画だから英語字幕は入っているし、輸入盤でもなんとかなるだろうと思い購入を決意。ところがこれがまたアメリカ盤とイギリス盤があり、イギリス盤は2枚組。イギリス盤はなんかコンテンツが多いのか?と思い、色々調べてみても特に差は無さそう。更に時間表記がアメリカ盤は124分。イギリス盤は118分と微妙に違う。

どっちを買うべきか、悩みましたが、最終的にはリストアを担当したKINO社が出している北米盤を選択しました。

で、届いて見てみた訳ですが、これがさすがに凄い!どう凄いかと言うと…。

◆これまでで最長

※以下の記述は、DVDに付属のブックレットを元にしています。当然英語ですので、誤読があるかもしれませんがご容赦を。

この映画の当初の構想がどのくらいの長さだったのかはよく判りません。210分とか、240分とか説がありますが、とにかく確かなのは1927年1月にプレミア上映された時には既に153分だったということです(これは上映時に演奏された音楽のスコアから判断されるらしい)。

しかしこれでも当時の映画の長さからすると長すぎるため、アメリカ版ではいくつかのシーンをカットし、111分のバージョンが作られました。そして本国ドイツでも、最終的に公開されたのは118分のバージョンでした。その後、公開される度にすこしずつカットが行われ、最終的に残ったのは85分程度のバージョンでした。

前述のジョルジオ・モロダー版もこのバージョンを元にしていたと思われますが、実際の公開時間は80分だったと思います。これは、通常サイレント映画だと、台詞や状況説明をテロップにして映像と映像の間に挿入するのですが、モロダー版はこの方式をとらず通常の字幕方式にしたため、テロップの分だけ時間が短くなったためと思われます。

で、1960年代以降、失われた部分の捜索作業が地道に行われていたのですが、結果的に115分までフィルムを復元することができ、ほぼドイツでの初公開に近い長さまで戻ったのです(ちなみにアメリカ版DVDの表記は124分になっていますが、実際の中身は118分でした(タイトル部分は含まず))。さすがにプレミア公開時の153分版までの復元は無理だったようです。

それでも、以前見たモロダー版(が85分版だと仮定して)より30分くらい長いので、いきなり見た覚えのないシーンの連続(まあ、これも20年前の記憶を元にしてるのであんまし確かでないけど)。

とは言え、ストーリー上重要なシーンの追加はなさそうな感じですが、モロダー版がなにか慌ただしい感じだったのに対し、自然な感じになった気はします。

◆画質が最高

これはもう驚嘆の一言ですね。とでも80年近く前の映画とは思えません。画面のキズやノイズもほとんどなく、大げさに言うとここ数年で撮られた映画のよう。特典映像として、リストア作業についてのインタビューが付いてますが、それを見るとフィルムのキズを一つ一つコンピューター上で消したり、状態の悪いシーンについては、2種類のフィルムからいい部分だけを抜き取ってニコイチ合成したりとかなり大変な作業だったようです。

◆特典映像も豊富

・まず、43分間のメイキングドキュメント。さすがに当時撮られたドキュメントではないので、撮影風景のスチル写真とかから構成されたものですが、ロボット、マリアの中に女優さんが入って休憩しているところとか、フリッツ・ラング監督へのインタビューなど、貴重なシーンの連続です。

・前述のフィルムレストア作業のインタビュー

・フォトギャラリー。これには復元できなかった部分のスチル写真や、セットのスケッチ、ポスターなどが含まれます。

◆音楽付き

サイレント映画ですが、このDVDには伴奏?音楽がついてます。ドイツで最初に公開された時の伴奏音楽をスコア通りに忠実に再現したものだそうです。クラシック風の音楽ですが、まあ、可もなく不可もないという感じ。あんまし派手な音楽でも映画のじゃまになるので、これぐらいでいいのかも。ちなみに5.1CHサラウンドですが、あまり意味がないような気が…。



ということで、なかなか満足のいく買い物でした。まだ、フリッツ・ラング監督の意図した最終的なバージョンではないわけですが、ストーリー的にはもうそんなに変わらないような気もします。最初にモロダー版を見た時の、「理想的で青臭いストーリー」という感想は今回のDVD版でも変わりませんでした。このへんは、当時フリッツ・ラング監督の夫人でもあったテア・フォン・ヘルボウのシナリオからの問題ではないかと思います。このシナリオというか、ノベライズ、大分昔に世界文学全集みたいなのの1冊に収録されていたの持っていたのですが、行方不明です。数年前に創元推理文庫からも出ていたのだけれど、これも買い逃してしまって絶版。ということで、シナリオ問題については保留。

あと、英語字幕だけで大丈夫か?という不安はあったのですが、字幕というかテロップの出てる時間が長めなのでなんとか理解できました。しかし多分フィルムの損失部分だと思うのですがストーリー説明の比較的長い(と言っても数行ですが)テロップが出る時があってその時は追いかけきれず一時停止の技を使ったり(^ ^;。ちなみに通常音声の他にオーディオコメンタリー音声もありますが、これはそのシーンの状況説明をしてくれるようなものです。こっちも字幕がついてるけど、忙しそうなのでそっちは見てません。

ということで、皆さんも是非1枚。といいたいところですが、アメリカ盤はしっかりリージョン=1なので日本のプレイヤーでは再生出来ず。イギリス盤はリージョン=2ですが、PALなのでTVでは再生出来ず(パソコンなら可)。ということで、日本ではまともに見れない環境です。全くなんでリージョンコードなんてものがあるんだか。

ところで、DVDに同封されていたKINO VIDEOのカタログを見てみると、フリッツ・ラング監督の『ニーベルング』なんてのもDVD化されているんですね。これも見たいけど、2枚組だからちょっと高いなあ。

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山田正紀『金魚の目が光る』(徳間文庫)(4/6)

個人的には、山田正紀というとどうしてもSF作家、という印象が強いのだが、実際には最近はむしろミステリ作家として活躍している。ミステリ作家としての山田正紀は殆ど読んでいないのだが、唯一の例外が『人喰いの時代』(ハルキ文庫)。戦前の小樽を舞台に、探偵呪師霊太郎が活躍する連作短編集だ。これがなかなか面白かった。
で、本作はその呪師霊太郎の登場する2作目。奥付けを見ると、単行本が出たのは1990年とある。12年経ってから文庫化されるというのも珍しい。
本作は舞台を小樽から九州の柳河に移している。柳河と言えば、詩人北原白秋の出身地。ということで、白秋自身も登場し、白秋作の童謡通りに連続殺人が起こるという趣向(ちなみに冒頭に引用されているこの童謡が物凄く怖い。童謡とはとても思えない。是非これだけでも立ち読みしてみてください)。柳河の独特の雰囲気(って行ったことないが)がうまく生かされていて味のある佳作になっていると思う。
山田正紀のミステリ、真面目に読んでみようかな。
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森博嗣『月は幽咽のデバイス』(講談社文庫)(3/31)

森博嗣のVシリーズ3作目。話は例によって例のごとくだが、今回はやけにあっさりしているような気がする。トリックとか、その辺は相変わらず見事なのだが、話そのものはあまり起伏がなくストレートに終わってしまう感じ。
S&Mシリーズに比べると、このVシリーズはキャラ重視というか、各キャラクターの描写に重点が置かれているような気がする。レギュラーキャラの数も1作ごとに増える一方だし。
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日々鬱病と未聴CDと戦いながらCD買い物依存症から抜け出せない、そんな奴です。

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