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久し振りに買った村上春樹



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湯川新『ブルース 複製時代のフォークロア』(法政大学出版局)(7/4)

ブルースの解説本というと、どうしてもブルースマンの評伝的なものになったり、ブルースが生まれた背景を探るみたいな文化論的なものになりがちだ。この本も「複製時代のフォークロア」というサブタイトルだけ見ると文化論的なもののようだが、読んでみると全然違った。作者の興味は、一貫してブルースの曲(と歌詞とそれを演奏する楽器)に集中している。第1章の最初のほうこそ、ブルース誕生の背景的なことが書かれているがすぐに具体的なブルースの曲および演奏家の話に移る。
とにかく、具体的な曲の楽譜と歌詞がふんだんに引用されているのが特徴だ。楽譜の読めない身にとってはちょっと辛いところもあるが、歌詞に関する考察はそれを補って余りある面白さだ。正直、ブルースを聴いていてもあまり歌詞を意識したことはないのだが(ブルースに限らず洋楽全般そうだが)、歌詞を意識しながら聴いてみるのも面白そうだ。と言ってもほとんど輸入盤で買ってるからそもそも歌詞カードがないんだが。ヒアリングできるほど英語力はないし。
ひとつだけ残念なのは、ブルースについての記述がエレキが登場したあたりで終わって、その次はチャック・ベリーとロックン・ロール創生期に話が行くこと。エレキ以降の、モダンブルース期についても読んでみたかったのだが、作者の興味はそこにはないのかもしれない。
正直これからブルースを聴いてみようという入門者には勧められない。ある程度ブルースを聴き込んで、ブルースというこの音楽の魅力はどこから来るのだろうかと不思議に思っている人向けである。

飛鳥部勝則『冬のスフィンクス』(光文社文庫)(2/24)

自作の絵画を口絵にし、作中にも取り入れるというちょっと変わったミステリ作家、飛鳥部勝則の5作目にあたる長編。本作の主人公盾経介は、寝る前に絵を見てから眠ると夢の中でその絵の中の世界に入れるという特技の持ち主。ある日、州ノ木正吾という画家の絵を見てから入った夢の世界で奇怪な殺人事件に巻き込まれる。なんとかその夢から覚めるものの、そこはまた別の夢の世界だった...。
という具合で、話が進むにつれどこまでが夢でどこまでが現実なのか判らなくなってくる。ミステリというよりは幻想小説としての側面が強い(一応、作中の殺人事件に関する謎解きは行われるが)。ちなみに本作はこの著者の前作『砂漠の薔薇』(光文社文庫)の姉妹編のような位置付けになっていて、登場人物も何人かは共通している。ストーリーには直接のつながりはないのでどちらを先に読んでも差し支えはないが、続けて読むとより面白く読めるだろう。

べつやく れい『しろねこくん』(小学館)(1/6)

しばらく前から探していたべつやくれいさんの絵本をようやく入手。内容の方は「語呂合わせ絵本」と表紙にある通り、「ねこ△○○」(△=助詞、○○=動詞)というキャプションが1ページに1つ書かれ、そのキャプションに合った絵が描かれている。例えば「ねこはきく」→「ねこときく」のようにキャプションが微妙に変わってゆき、それによる微妙な起承転結具合が楽しめるという寸法である。「ねことにる」というのが出てくれば「いいか、「を」はやめろよ!「を」は絶対止めろよ!!」などとダチョウ上島風にひやひやしながら楽しむことも可能だ。
絵に登場するのはロングヘアの女性(「れい」という名らしい)と主人公のしろねこ(「しろぞう」という名らしい)。ユーモラスでほのぼのとしているがそこはかとなく毒があるような絵柄で味わいがある。
ちなみにデイリーポータルZの最新の小ネタ「ティッシュたくさん下さい」の一番最後にはべつやくれいさんの飼い猫と思われる猫の体がほんの一部写っているが、白猫ではなく茶虎っぽい。

それから、読み終えたらカバーをめくってみるのを忘れるなよ!

森博嗣『六人の超音波科学者』(講談社文庫)(12/30)

Vシリーズ7作目。舞台は人里離れた山中の超音波科学研究所。パーティの最中に例によって起こる殺人。しかも外界へ通じる唯一の道路は橋を爆破されて通行不能に。パーティに招待された者といつものごとく偶然に(必然に?)居合わせた者たちが真相の解明に挑む。
今回はあまりひねりがないというか、わりとストレートにミステリしている感じ。登場人物たちのキャラもすっかり固まった感があり、ある意味マンネリとも言えるが、むしろそのマンネリ感が心地よい。しかし、次作あたりでまた波乱がありそうな予感がひしひし。
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Author:freeflow
日々鬱病と未聴CDと戦いながらCD買い物依存症から抜け出せない、そんな奴です。

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